大平要
通信販売事業を展開する「スクロール」(浜松市)では今年の春夏シーズン、キャンプなどアウトドア用品の販売に急ブレーキがかかった。コロナ禍によってブームになったアウトドアだが、新規参入が相次ぎ、価格競争が激化したためという。
同社が28日発表した2022年9月中間決算では、アウトドア用品を扱うサイトを運営する子会社のナチュラム(大阪市)でテントやバーベキューセットなどの在庫がかさみ、2億5700万円の評価損を出した。
杉本泰宣・取締役経営統括部長は「『おひとり様キャンプ』など、コロナ禍でアウトドアの市場は急激に広がった。ブームは衰えていないが、競争相手が増え、値引きがすごくて厳しい」と述べた。今後は、独自商品の開発に力を入れ、建て直しを図るという。
通販では、カタログ用紙のコスト増や円安による仕入れ価格の上昇の影響も受けている。先行きは、節約志向の高まりも心配だ。
9月中間期の売上高は409億円(前年同期比2.1%減)、純利益は23億円(同27.8%減)。来年3月期の業績予想は、売上高790億円(前期比2.9%減)、純利益31億円(同44.5%減)に引き下げた。(大平要)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル